日本人を冒険する―あいまいさのミステリー |呉 善花
|
|
PHP研究所 (2001/10)
売り上げランキング: 314,182

注目すべき日本人論
日本人の本質を変えないまま、世界に日本をどうアピールするのか
鮮烈なインスピレイション(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)
■著者紹介・・・呉 善花
1956年韓国・済州等生まれ。韓国女子軍事体験をもつ。
1983年来日し、大東文化大学入学。東京外国語大学大学院修士課程修了。
現在、拓殖大学日本文化研究所客員教授。著書多数。
●長年、日本で生活してきた韓国人である著者によれば、
外から見た日本と、内側から見た日本に微妙な、かつ本質的な
ギャップがあるといいます。
それは自己主張の方法、つまりコミュニケーションの手法です。
・日本人の場合、口ではなくほかの方法で自己主張をし、
それを感じ取って相手を理解する、というコミュニケーション文化が
確かにあるようです。・・・自己主張のあり方が独特なだけの話です。
この点で、私たち外国人は日本人を大きく誤解し、
それだけ見くびってしまいがちです。(p74)
●著者の分析によれば、
それは以心伝心のできる、信頼が構築された社会(日本)と、
他人が信頼できない社会との差であるとしています。
・韓国人や中国人は逆に、血縁以外の他社は容易に信じられない相手です。
だからこそ、「けっして裏切らない」ことを見せ合うために、
内面の悩みを話すなどして、より強い結びつきをつくろうとします。(p59)
●とはいえ、ここまで日本が経済大国化すると、
外交においては、コミュニケーションや文化の差が、
お互いの不信と誤解を大きくしてしまう可能性があります。
著者の意見としては、武力を用いない、経済力を利用した
日本なりの外交があるはずであるとしています。
・あちらのケンカ腰に対して、こちらもケンカ腰で向かったら、
それこそどうしようもない対立となる、というように日本人は
考えていると思います。しかし、それはまったくの間違いです。
相手が厳然たる態度をとらなければ、とらないだけより強固な
押し込みがこちらから可能だと考えるのが、一般的な「夷」
の世界です。(p191)
●竹島問題、靖国問題などでは、友好を前提に考え、冷静な対応を
とっていくことになるでしょうが、日本になら、どのような要求をしても、
大丈夫という誤解だけは避けなくてはならないでしょう。
個人的には、中国と韓国の株式を含んだアジア株式の投資信託を、
4割程度の値上がりしていることもありましたが、
これを機会に売却しました。
・欧米諸国は、一国の国益をあたかも世界益であるかのように
普遍化して主張してきます。・・・これが現在の世界での
ホンネとタテマエの国際標準だと言えますが、日本はどうも
そういうことができないようです。(p201)
●「彼を知り己れを知れば、百戦してあやうからず」という言葉がありますが、
まさに中国人・韓国人を知り、己を知ることができる一冊です。
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・とにかく相手しだい、相手に合わせる、というのが、どうやら
日本人の場合の第一前提のようです・・・ようするに、
相手に面倒をかけるようになるこをと極力避けようとして、結局
「なんでもいいです」となってしまう。(p37)
・欧米人・中国人・韓国人のほうが外国人に対してオープンだ、
温かい、親しもうとすると言っても、いざとなると冷たい態度を
とることが多いものです。そういうタイプとして言えば、
日本人はその逆の人が多い。(p178)
「日本人を冒険する」呉 善花、PHP研究所(2001/10)¥540
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)
■関連書籍

